2020年07月10日

アメリカの医療保険

 久しぶりにブログを更新します。
 エジプト日誌ですが、米国ニューヨーク州から書いています。夫が心臓の手術をしたために米国に来ました。手術は、1か月前に行われたのにエジプトの空港が閉鎖されていたため渡米できませんでした。やっと、空港が開いてこうして来ることができました。
 さて、この手術は、保険無しで払えば1億円超えの大手術でした。夫は、20年前にも心臓の弁を替える手術を受けていました。将来、もう1つの弁も替える必要があると医者に言われました。その事もあったので、もう自営業は、やめて会社に勤め、会社に保険代の半分を払ってもらおうと求職しました。
 やっと、良い条件で雇ってくれる会社が決まり、3か月の試用期間の後に健康保険に入る手続きを始めました。皆さんも御存知の通り、米国には公的健康保険がありません。申請して受け入れてもらわなくては、なりません。なんと、保険会社に拒否されてしまいました。理由は、心臓の手術をしたことがあるからです。健康不安があるから、保険に加入しようとしているのに保険会社は、お金がかかる人を加入させないのです。そして、支払いができない人を病院は受け入れません。
 でも、ここは米国。何もない人に救いはあるのです。メディケイド(低所得者健康保険)が受けられるまで、収入を減らすことです。私の夫の場合、手術をしなければならないことがわかっていたので準備をすることができましたが、健康保険に入れない、入っていない米国人がいかに多いことか。病気を悪化させて亡くなっていることか。
 米国の豊かさは、醜い。このコロナ禍で助けてもらって有難い一方で、先進的な技術と西部劇そのままの自分の命は自分で守る精神構造の米国が怖い。

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posted by エジプト日誌 at 21:51| Comment(0) | 日記

2019年09月14日

世界中に広がる嫌悪 自分の嫌悪を疑え!

今年の夏も、アメリカに1か月滞在した。夫が、新しい会社に変わったのでニューヨーク州ナヤックに住居を移した。今回の渡米では、アメリカ在住のイスラム教徒から嫌な話を聞いた。

まず、聞いたのは、金曜日のお祈りのためにバスに乗ってモスクに行こうとした母親と幼い子供二人の話だ。ヘガーブをした母親の前に全く知らないタトゥーをした大きな白人の男がやってきて「F○○○ YOU」といったそうだ。誰も、助けてくれず怖くて声も出せなかったそうだ。それからは、ヘガーブをやめたそうだ。

次に聞いたのは、夫婦で友人のお見舞いに病院に行った話だ。相部屋だったためか、最初、お見舞いに行って話し始めたとき、隣のポーランド訛りのある付添いの人に声が大きいので静かにしてくれと注意された。声を小さくしたのに、そのあとも、何かと文句をつける。面会時間だし、声はそれほど大きいとは思えないというと、怒り出して「お前たちは、自分の国に帰れ!」と言ったそうだ。ヘガーブを持つしぐさをしながら。

最後は、夫から聞いた話だ。仕事のお客様から電話があって、「うちの夫が、イスラム教徒は、みんな人殺しというんだけど、本当だと思うか?」という質問だった。いい大人が、こんな質問まじめにするか?と思ったけれど、夫は、まじめに答えたそうだ。

「このアメリカで毎週のように、銃乱射でたくさんの人を殺しているのは、イスラム教徒ですか?キリスト教徒じゃないの?私が、誰かを殺しましたか?」と。素直なアメリカ人女性は、納得したようだけど、この国のトップである大統領が、いろいろな偏見をまき散らしているのだからしょうがない。

 でも、こんなことは、アメリカだけにおこっていることではない。日本のニュースを見ても、偏見をあおるようなニュースばかりだ。

 自分の嫌悪を疑え!フェイクニュースにコントロールされるな!強く思った。
posted by エジプト日誌 at 19:10| Comment(0) | 日記

2019年06月30日

Formula Student

                                                    

 私の息子がカイロ大の工学部を卒業した。日本であれば、在学中に就職活動をして卒業と同時に就職というのが普通であろうが、このエジプトでは卒業できるかどうかは、最後の卒論発表の結果次第だ。最後まで、はらはらさせる卒業だった。

 息子には、まだ大学にやり残したことがある。それは、  Formula student Englandに参加することだ。 Formula studentは、簡単に言えばロボットコンテストの自動車版だ。大学生自身が、大学生に呼びかけてチームを作り、コンテストの出す自動車を1年かけて作り上げ、競技に参加するのだ。下記の大会理念はFormula student Japanの大会理念から引用したものだ。たぶんどの国で行なわれるFormula student も同じ理念だと思う。

Idea〜大会理念〜

ものづくりの機会を提供することによって、大学・高専等の工学教育活性化に寄与する。

         学生自らがチームを組み約1年間でフォーミュラスタイルの小型レーシングカーを開発・製作することによって、学生がものづくりの本質やそのプロセスを学び、ものづくりの厳しさ・おもしろさ・喜びを実感する。

         競技会では、走行性能だけでなく、車両のマーケティング、企画・設計・製作、コスト等のものづくりにおける総合力を競う。

         学生に対しては自己能力向上の場、企業に対しては将来を担う有能な人材発掘の場を提供する。


私が、このことを書いているのは、このFormula student Englandに参加することによってカイロ大の学生たちが学びの機会を得、ものづくりの楽しさや厳しさを実感しているからだ。


2年前のこのチームは、9名だった。人選びが厳しかったからだ。この人数ですべてのことをやるのは、難しいと次の年は、25名になった。世界の大学生と競う中でもっと自分たちの技術力を高めたいと今年は、50名になり、Trelloというソフトを使って仕事を分業化し可視化した。その内容は、来年に引き継がれる。

 一方、大学側はこの学生たちを応援しない。息子から聞く大学の対応は、悲しい話ばかりだ。まず、顧問の大学教授が様子を見に来ても「こんな車じゃ、だめだ。」と言い放つばかりでなんの助言もない。去年は、作った車を英国に輸送しようとしたが大学はFormulaからお金をもらっているはずなのに出してくれず、学生の父親が建て替えた。後に大学から返金されたが、大学を待っていたら、大会に参加することはできなかっただろう。

 大会に出て、学ぶこともたくさんあるが、発展途上国であるエジプトの工業力の低さも実感する。部品の品質だ。鉄の強度は、学生が頑張っても変えられない。

 自分の子供が、大学生になってから、自分の将来を切り開こうと頑張っている若者をたくさん知るようになった。しかし、この国は、その若者たちを支援しない。よって、外国に彼らの夢を実現させようとする。頭脳流失だ。

 日本教育を取り入れるのもいいが、まずエジプトには、若者たちの夢を応援できる国になってほしい。

posted by エジプト日誌 at 18:31| Comment(0) | 日記