2019年06月30日

Formula Student

                                                    

 私の息子がカイロ大の工学部を卒業した。日本であれば、在学中に就職活動をして卒業と同時に就職というのが普通であろうが、このエジプトでは卒業できるかどうかは、最後の卒論発表の結果次第だ。最後まで、はらはらさせる卒業だった。

 息子には、まだ大学にやり残したことがある。それは、  Formula student Englandに参加することだ。 Formula studentは、簡単に言えばロボットコンテストの自動車版だ。大学生自身が、大学生に呼びかけてチームを作り、コンテストの出す自動車を1年かけて作り上げ、競技に参加するのだ。下記の大会理念はFormula student Japanの大会理念から引用したものだ。たぶんどの国で行なわれるFormula student も同じ理念だと思う。

Idea〜大会理念〜

ものづくりの機会を提供することによって、大学・高専等の工学教育活性化に寄与する。

         学生自らがチームを組み約1年間でフォーミュラスタイルの小型レーシングカーを開発・製作することによって、学生がものづくりの本質やそのプロセスを学び、ものづくりの厳しさ・おもしろさ・喜びを実感する。

         競技会では、走行性能だけでなく、車両のマーケティング、企画・設計・製作、コスト等のものづくりにおける総合力を競う。

         学生に対しては自己能力向上の場、企業に対しては将来を担う有能な人材発掘の場を提供する。


私が、このことを書いているのは、このFormula student Englandに参加することによってカイロ大の学生たちが学びの機会を得、ものづくりの楽しさや厳しさを実感しているからだ。


2年前のこのチームは、9名だった。人選びが厳しかったからだ。この人数ですべてのことをやるのは、難しいと次の年は、25名になった。世界の大学生と競う中でもっと自分たちの技術力を高めたいと今年は、50名になり、Trelloというソフトを使って仕事を分業化し可視化した。その内容は、来年に引き継がれる。

 一方、大学側はこの学生たちを応援しない。息子から聞く大学の対応は、悲しい話ばかりだ。まず、顧問の大学教授が様子を見に来ても「こんな車じゃ、だめだ。」と言い放つばかりでなんの助言もない。去年は、作った車を英国に輸送しようとしたが大学はFormulaからお金をもらっているはずなのに出してくれず、学生の父親が建て替えた。後に大学から返金されたが、大学を待っていたら、大会に参加することはできなかっただろう。

 大会に出て、学ぶこともたくさんあるが、発展途上国であるエジプトの工業力の低さも実感する。部品の品質だ。鉄の強度は、学生が頑張っても変えられない。

 自分の子供が、大学生になってから、自分の将来を切り開こうと頑張っている若者をたくさん知るようになった。しかし、この国は、その若者たちを支援しない。よって、外国に彼らの夢を実現させようとする。頭脳流失だ。

 日本教育を取り入れるのもいいが、まずエジプトには、若者たちの夢を応援できる国になってほしい。

posted by エジプト日誌 at 18:31| Comment(0) | 日記
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