2016年12月07日

日本の教育を取り入れたいエジプト

 エジプトには、いろいろな言語の学校がある。語学学校ではなく、幼稚園から大学まで、アラビア語、英語、ドイツ語、フランス語などで教育を受けられる。また、その中でも、外国人が多く通うアメリカンスクールやブリティッシュスクールもあれば、ほとんどがエジプト人の自称インターナショナルスクールもある。今まで挙げた学校は、私立の学校だ。
 私立に通えないエジプト人の子どもは、公立の学校に通う。私の知る限りでは、公立の学校は、悲惨極まりない。子どもの人数に学校施設が追い付いていかず、1クラス70〜80人で 午前に通う子どもたちと午後に通う子どもたちがいる。座るための椅子や机もなく、私が、エジプトに来た15年前には、政府から「子どもを座って勉強させたいなら、机といすを学校に持って来い」と保護者に知らせているのを聞いた。
 2回の政変を経て、エジプトのシシ大統領は、日本の教育を取り入れようとしている。
日本の小学校を視察したシシ大統領が、学校での規律や秩序やチームワークに感心して、日本式教育を導入したいと言い出したのだ。「日本人は歩くコーランだ」とまで言っている。エジプト政府は、過激派やテロに走る若者を減らし、子どもたちに役割を与えることによって学校に子どもの居場所を作りたいと考えている。たとえ意見が対立しても、話し合うことによってお互いを理解し妥協点を見つけ出せるようになってほしいと考えている。学力よりは、エジプト人の政府に対する怒りや意見の対立を何とかしたいということだ。
日本の支援組織JICAが、12の公立の学校をパイロット校として選び支援をスタートさせている。これから4年間で212校に普及することを目標としているそうだ。
まず、やっていることは、朝礼(背の順番に整列)、石鹸での手洗い、日直(朝の挨拶・号令かけ)、ゴミ拾い、掃除、時間を守る(時計供与)&時間割、早寝早起き朝ご飯の生活習慣指導、計算ドリル、学級会、話し合いの10の活動だ。
私立の学校では、すでにやっていることばかりで目新しいのは、児童生徒によるそうじと話し合いの活動だ。児童生徒による掃除は、保護者から大反対があったが、始めて見ると、
子たちの生活習慣が変わり、家でも学校でも掃除をしたり整理整頓をしたりするようになったと親から評価を得るようになった。保護者の反対理由は、エジプトでは掃除を仕事とする人を身分の低い人と見るからだ。
 パイロット校に生徒たちは、学校が楽しくなり、学力も向上しているそうだ。パイロット校を視察したが、大人が本気で子どものことを考え学校を変えていけば学校は変わり、子どもも学校が好きになる。シシ大統領は、日本の教育がエジプトを変えると思っているが、本当に変えるのは、エジプトの大人たちのやる気と志だ。
学校での掃除風景
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posted by エジプト日誌 at 08:06| 日記